簡素な暮らし 第3回

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だんだんと葉っぱも色づいて、すっかり秋ですね。

この数年、秋が来ると必ず行う作業があります。それは味噌樽をあけて手前味噌の出来映えを確かめることです。

今年は雨が多く湿度が高かったせいか、かなり発酵がすすみました。毎年違うものが出来上がるのも、手仕事のうつわと同じく自然の力を借りて作るものならでは、です。

昔の人は冬が来る前に米、味噌、漬け物の段取りが終わるとほっとしたそうです。冷蔵庫もなかったため、大きな壺や瓶といった器は食べ物を保存するために欠かせないものでした。

現代では季節も時間も関係なく、米も味噌も野菜も手に入ります。だからこそ子供たちに伝えたい、今日は「コンビニエンス過ぎない暮らし」です。

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春は鹿児島の親戚から梅がたくさん届くので、梅干しを作ります。梅を干す時は大きなザルが欠かせません。味噌も梅干しも、時間はかかりますが電気やガスの力を使わずに出来る自然の恵みと人間の知恵がつまった食べ物です。

ほとんどの食べ物はスーパーで買う普通のものを食べていますが、お醤油や料理酒などの調味料だけはなるべく時間をかけて作られたものを選ぶようにしています。

さて、我が家で一番の「ない」は「車」かもしれません。

数年前まで我が家には大きめの車があったのですが、小型のものに乗り換えるつもりで一度車を手放し、しばらく徒歩と自転車で暮らすことにしました。

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虹のように美しい、鎌倉・獅子舞の紅葉です。

必要なときはレンタカーで出かけるのですが、歩く速度で見る近所の山や海の良さに気付き、ほとんどの週末を家の近くで過ごすようになりました。

子供たちは保育園からの帰り道、私と一緒に毎日約1時間かけて家まで歩きます。道で会う方は「3歳でもそんなに歩けるの!」と驚きます。でも昔の人に比べたら、きっと短い道のりでしょう。

「昨日より陽が短くなった」、「今日の雲はきれい」、「栗がなっている」などなど子供たちはたくさんのことに気付いてくれます。不便も慣れると不便でなくなる・・・そんな気がしています。

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ハイキングの途中、リスの声に耳を澄ませる子供たち。

柳宗悦が定義した「民藝品」の条件のなかに、「他力性」があります。

『個人の力よりも、気候風土や伝統などの他力に支えられていること。』

便利な物に頼り過ぎない暮らしは手仕事と同様、他力のありがたさをより一層感じられる暮らしです。ではまた次回。

ヒラノ

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