呉須とコバルト

うつわの色は、成分の違う釉薬により生まれます。

同じ名前で呼ばれる釉薬を使っていてもちょっとした配合の違いや材料、焼成時の条件によって色に違いが出てきます。手仕事・民藝のうつわにみられる色の違いは、まったく同じ成分の釉薬を使い、同じ条件で焼成される大量生産の食器にはない良さだと思います。
これから何回かに分けて特定の窯や色に注目し、その違いを楽しみながら学んでみようと思います。

今回はやちむんの青に注目してみました。
やちむんといえば青いうつわをイメージするほど、よく使われている色です。

上の写真は青の絵付けが美しい北窯の珈琲碗皿です。このよく目にする青は「コバルト」と呼ばれています。これは酸化コバルトという成分からつくられる釉薬で、焼成すると鮮明な藍色を呈します。天然の酸化コバルトも極少量中国などで算出されているのですが、現在はほとんど人工的なものが使われているそうです。

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コバルトで絵付けされたカップと湯呑み。焼成時の条件などによって明るいブルーになるときや紫がかった色になるとき、濃紺になるときなどがあるそうです。もやい工藝にやちむんが並んだとき、スタッフHさんが「今回共司さんのコバルトがすごく綺麗なんですよ」と言っていたのを思い出しました。そのときの青がいつもより明るい色だったように記憶しています。

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この迫力ある泥打ちの濃い色に使われているのは「呉須釉」と呼ばれる釉薬です。磁器の絵付けにもよく使われていますね。コバルトに比べ、より渋くて深みのある色を出します。コバルトと同様酸化コバルトを含む釉薬ですが、それ以外にニッケル、銅、鉄、マンガン等多くの不純物を含み、それぞれの量や焼成時の条件の違いによって色の出方も変わるそうです。確かに大日窯のバターケースなど、手作業で描かれている絵付けはそのときによって色が全然違います。

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こちらはmoyaisでも取り扱いのある若手のつくり手さんの湯呑みです。化粧土の色が北窯とはだいぶ違うので、同じコバルトでも青がより艶やかで、明るい印象があります。

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同じつくり手さんの窯の、呉須で描かれた花紋のお皿です。写真では緑がかった色に見えますが、インクブルーのようなくすんだ青です。

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室内で撮った写真です。このなんとも表現できない色が気に入ってしまい、moyaisでも注文することにしました。

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青いうつわではありませんが、こちらは草呉須と呼ばれる釉薬で絵付けされた横田屋窯のお皿です。草呉須はコバルトの中に緑釉(酸化第二銅)を混ぜることで独特の緑色を出したものです。綺麗に発色させるのはとても難しいそうです。
同じ呉須と呼ばれる釉薬でも、調合する成分によってこんなにも色が変わるのか、と驚きました。

最後に現在moyaisで扱っている「青が美しい窯」をご紹介します。

伊勢・いろは窯 白掛染分湯呑み(三重県)
温泉津焼・森山窯(島根県)

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