石見焼・宮内窯の壷

かつて石見地方、温泉津町から浜田にかけての海岸線には多くの窯が並んでいたそうです。それらの窯は来待釉(きまちゆう)の瓦で知られる石州(せきしゅう)瓦専門の窯や、粗陶器である半洞甕や大きな容器をつくる窯が大半でした。

耐火度が高く、酸にも塩にも強く、容器として最も適していた石見の陶土は、焼き締まると磁化して割れにくくなります。そのため、一時期は日本中にこの壷・甕類が出荷されました。手仕事による量産品で価格も安いため、大きなものでも速く均一につくることのできる職人が多く存在し、宮内窯の当主であった宮内謙一さんもその一人でした。

生活様式の変化によって石見ならではの大物は少なくなってきましたが、現在は二代目・宮内孝史さんが現代の暮らしに合わせた実用的な器を作り続けています。

その一つが小さめの壷です。写真は小さい二つが塩壷、大きいものが4号壷です。通常の陶器は塩分や酸が強いものを入れたままにしておくと、釉薬が剥がれてしまうこともあるのですが、こちらはそのような心配もありません。塩、漬物、味噌、梅干しなどを保存したり、そのままテーブルに出すことができます。

もやい工藝スタッフOさんは、4号壷に塩を入れて台所に置いているそうです。口が大きいのでさっと塩をかけたい時にそのまま手を入れることができて便利、とのこと。

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色は白と黒の2色。
塩壷には、蓋を開けると匙などを置けるくぼみがあります(4号壷にくぼみはありません)。
自家製のたれや、らっきょう漬などを入れるのも良さそうです。

こういうものを使うことで、日本人が昔から自分たちで作ったものを大切に保存し、食してきたことにも想いを馳せることができます。見た目にも美しい石見の実用品をぜひ使ってみてください。

石見焼・宮内窯(島根)

 

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