小鹿田への旅

秋が深まる小鹿田焼の里を訪ねてきました。

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小鹿田では今でも水力を利用した唐臼で土を砕きます。この音をきくとほっとします。

前回訪れた時は窯出しの日だったため、つくり手さんたちは窯から器を運び出すのに忙しく、器をつくる姿を見ることができなかったのですが、今回はいくつかの窯をじっくり見学させていただきました。

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黒木富雄窯の富雄さんと昌伸さんです。皿山ではそれぞれの窯に轆轤(ろくろ)は2台と決まっています。一子相伝を守り続ける小鹿田焼。長男が仕事を継ぎ、2人並んで仕事をします。つくることのできる量が限られているからこそ、その土地のものでつくり続けることができるのでしょう。

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86歳で今なお仕事をされている黒木力窯の力さん。「毎日同じことの繰り返しです。いまどきの人がこの仕事を続けるというのは難しいでしょう。家族だけでやっているから成り立つ仕事ですよ。人を雇って商売しようと思ったら小鹿田の伝統は続きません。」という言葉が印象に残りました。無銘の職人として70年近くこの仕事をされているというのは、本当にすごいことだと思います。ひたむきに、無心に仕事をする。そういった方の存在によって健やかなうつわが生まれ、民藝は続いてきたのでしょう。

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少し乾燥させた硬めの土と柔らかい土を混ぜて使います。

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坂本浩二窯では飛び鉋のお皿をつくる様子を見せていただき、坂本義孝窯では息子の庸一さんが刷毛目皿をつくるところを見せてくださいました。そのお皿をつくる時に使っていたのが上の写真の丸い土です。5~6寸まではこのように土を丸め玉づくりでつくります。それ以上大きいものになると紐づくりでつくるそうです。この土玉のつくりかたも窯によって様々で、きちんと重さを測ってつくる窯、大体の大きさできれいに丸める窯、割と適当に丸める窯…と個性的でとても面白かったです。

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柳瀬朝夫窯に並んでいたうつわです。上の写真は釉薬を掛ける前に乾燥している、定番商品の鳩の箸置きです。下の写真は焼く前の朝夫さんのうつわにたっぷりと釉薬が掛けられている様子がよくわかります。

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つくり手の方のお話をたくさん聞くことができとても有意義な旅となりました。
いつか窯に火が入る瞬間を見てみたいです。唐臼の音が響く皿山の夜、大きな窯で火が焚かれる様子は想像しただけで胸が高鳴ります。

小鹿田焼(大分県)

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