飯碗いろいろ

沖縄では飯碗のことをマカイといいます。マカイの特徴は高台が大きいこと。全体の重心が低く、どっしりとした印象です。

やちむんは重いというイメージがありますが、同じやちむんでも作り手さんによってその薄さは違います。上の写真のマカイはやちむんの中では軽く薄いものですが、高台が大きいだけでどっしりとした安定感がありますね。

高台の小さい、唐津焼・東風窯の飯碗と見比べてみるとそのバランスの違いがよく分かるかと思います。

ふっくらとしたやわらかい印象になりますね。
高台だけではなく、全体のかたちも日本各地の窯によってさまざまです。

逆三角形のすっきりとしたかたちが美しい瀬戸本業一里塚窯の女碗。この飯碗は、もやい工藝初代店主の故・久野恵一さんが骨董店で手に入れた明治時代の瀬戸の飯茶碗をもとに製作を依頼したもの。高台にかけての直線と均一な薄さが、やちむんのマカイとは全く違う印象を与えます。

何百年にもわたって全国で異なるかたちの飯碗が作られているのは、おそらく日本だけでしょう。それほど日本人にとってお米、そしてそれを食する飯碗は重要なものだったということ。無銘の陶工たちによって何千という飯碗が日本各地で庶民のために作られてきたのです。

久野恵一さんがやってきたように、昔の物を知り、その土地に根差したかたちの器づくりを依頼することはとても重要です。今では陶土も釉薬も日本全国のみならず、海外からも手に入れることができます。それが日本各地の窯で行われると、伝統の色やかたちが失われ、特色が消えてしまいます。民藝の担い手の役目のひとつは、長い時間をかけて培われてきた日本各地の特色をきちんと踏まえ、それを後世に伝えていくことだと思います。

家族それぞれで好きな飯碗を使うという日本独自の文化もあります。年齢によって大きさが変わっていくというのも飯碗の特徴です。日本の食文化や伝統に思いを馳せながら、ぜひお気に入りの飯碗をひとつ選んでみてください。

飯碗・マカイ

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