柳宗悦の「直観」

日本民藝館で開催されている企画展「柳宗悦の「直観」 美を見いだす力」を見てきました。

それまで顧みられることのなかったものに次々と美を見いだした柳宗悦の眼差しを追体験し、柳の提唱した「直観」について改めて想いを巡らせるという今回の展示。通常でも最低限のキャプションにとどめている民藝館の展示から、時代や産地の説明も省かれた「ものそのもの」を見るという類のない展示でした。

柳はよく人から「どうすればものの美しさが分かるようになるのか」と聞かれたそうです。それに対し柳は「知識だけでは美しさの中核に触れることは出来ない。何の色眼鏡をも通さずして、ものそのものを直かに見届けることである」と述べています。

大きな部屋に悠々と佇んでいる壺や甕、木喰仏や絵画。キャプションが何もないので、いつどこで作られたものかも分かりません。


目で見て、心で受け取ること。柳宗悦のものを選ぶ基準には場所や時代への先入観はなく、とても純粋な気持ちと好奇心ですべてを見ていたのだな、と感じることが出来ました。

併設展では企画展での無名性を強調するような、工芸作家たちの作品が展示されていました。その両方を見ることによって、民藝運動に力を注いだ人々の情熱も感じられました。民藝は無名の職人だけでも、作家だけでも成り立つことはなく、造形美・工芸美を追求する多彩な人々の仕事によって残っていくものなのだと思います。受け止めるだけではなく、その美しさや良さを伝えることも大切にしなくてはと改めて身が引き締まる展示でした。

柳宗悦の「直観」 美を見いだす力
2019年1月11日~3月24日

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