今を生きる民藝

2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災から8年が経ちました。
被災地から離れた場所ではありましたが、震災を経験したことは民藝との関わりに少なからず影響を与えていると思います。

震災の後、あれほどの被害を受けてもなお生きてきた場所を離れたくないという人々の気持ちの大きさがいろんな場面を通じて伝わってきました。
他国に比べ地震の被害が非常に多い日本では、積み上げたものが一瞬にして崩れ去る経験を歴史上何度もしてきました。そのために「儚いものへの慈しみ」が日本人の生き方の根底にあると言われます。戦国武将の間で、落とせば割れる茶器が一国の値に相当したことは、他の国では考えられないことだったそうです。

震災後はじめて民藝の品々に囲まれたとき、自然と人が手を携えてできたものの力を感じました。震災を通して感じ、学んだことが詰まっているような気がしました。
それぞれの土地の自然を活かし、暮らしてきた人々の知恵と技を活かしてつくられたものには、今を懸命に生きる強さがあります。厳しい自然を否定せずに受け入れる優しさが見えます。簡素な暮らしを彩る美しさが宿っています。

過去から受け取ったものを未来に残したいとこの日を迎えるたびに強く思います。

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