食の器

日本民藝館の企画展「食の器」に足を運びました。

柳宗悦は「実用のために作られた雑器にこそ美が宿る」と、それまでは注視されることのなかった新しい美意識を提示しました。もっとも身近な工芸品である食の器を柳はどのような目で見ていたのか。また、どのように使っていたのか。日本各地の器、欧米や朝鮮の器など、テーマごとに分けられた併設展示を見ることで、そこに共通した美しさを見つけることができました。

柳家で実際に使用されていた器は主として同時代の工芸だったそうです。古い器は眺めるのが主眼となるのに対し、新作工芸の使用には新たに器を育て活かすという創造的な意味が加わる、と柳は述べています。その時代の使い手や作り手のことを考えて器を用いていた柳の姿勢が窺い知れ、嬉しくなりました。

今は作ることのできなくなってしまったものがほとんどで、失ったものの大きさを知る展示でもありましたが、日本で培われてきた美しいものを未来にも残していかなければと改めて考える良い展示でした。

日本民藝館 食の器   2019年6月25日(火)~9月1日(日)

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