そばちょこのススメ

蕎麦猪口(そばちょこ・そばちょく):盛りそばのつけ汁を入れる器。底から口へ向けて直線的に広がる。染付・赤絵などが知られる。

蕎麦猪口は、古伊万里を原点とし、蕎麦を食べるための器としてだけでなく、食器として使い勝手がよいゆえに、雑器の代表として江戸時代から多くの庶民に使われてきました。

「猪口」という字が当てられたのは、逆台形の形が猪の口に似ているため。18世紀後半江戸時代の末期、蕎麦が庶民の間で大ブームになり、江戸の街には4千件近い蕎麦屋があったという文献が残されています。それに伴い蕎麦猪口の需要も高まり伊万里(有田)だけではなく、他の場所での生産もはじまりました。

柳宗悦は、蕎麦猪口の絵柄の多様さについて、著書「藍絵の猪口」の中で「一番驚くのは文様の変化である。この蕎麦猪口ぐらい衣装持ちは無いと言える」と記しています。また、蕎麦猪口の絵柄の中でもっとも多いのが自然の風景であるため、「いかに日本人が自然を友としたかが分かる」とも語っています。蕎麦猪口はその実用性から多くの人々に使われただけではなく、庶民の心象や風景を表すものでもありました。

現代では器が好きな方には浸透している蕎麦猪口ですが、マグカップやフリーカップに比べるとまだまだ認知度は低いように感じます。

蕎麦猪口の用途は想像次第でどんどん広がっていきます。「蕎麦猪口」「料理」でインターネット検索をすると、「こんな料理にも使えるのか!」と感心してしまいます。
季節を問わず、和洋も問わず使える日本を代表する器「蕎麦猪口」をぜひ日常に取り入れてみてください。

蕎麦猪口(そばちょこ)

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