無心の器

moyaisの仕事をしていて、一番幸せだなと思う瞬間はお客様が「うつわのそのまま」を受け入れてくださる時です。民藝の器はサイズや見た目が微妙にひとつひとつ異なります。凹みやキズが見られる場合もあります。改めて気づいた箇所がある場合、商品をお送りする前にお客様に写真とともにご連絡しています。ありがたいことに民藝の器の特性を理解してくださる方がとても多く、「大丈夫です」とおっしゃってくださることがほとんどです。よく考えたらすごいことだと思います。ありがとうございます。

自然の力を借りる仕事においては、すべてが人間の思い通りになることはありません。作り手と使い手、双方が自然を敬い、自然の流れに従う心をもつことができなければ民藝の品は居場所を失っていくでしょう。時に自然は人間にとっての脅威となります。近代・現代においては脅威があればそれを排除するのが常となりました。そのような流れの中で自然が主、人間が従である民藝の品を扱うことは、物を売るだけではなく見えない何かをお伝えする仕事だと思っています。

今年も柳宗悦の言葉を引用して締めくくりとさせていただきます。皆さま健やかな手仕事とともに、良いお年をお迎えください。

「無心とは自然に打ち委せる心です。作るのではなく生れるのです。それ故に美しいのです。自然の知は常に人の知に勝るからです。」

-柳宗悦「民藝とは何か」

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。